森山大道x佐内正史

資生堂WORDで開催された、佐内正史森山大道の対談に行ってきた。
オープンニングはまだ未公開の佐内さんの「俺の車」から見た景色の写真から始まった。中国道を走り続けてとった写真だそうな。淡い色合いで、佐内色の淡い風景写真ぽい。路上の写真から始めるのは、森山大道のあのシリーズと接点を考えてのことなのだろう。この写真を見て森山さんが言うには、「佐内さんの写真はちょっと数時間まとめてばーっと撮った印象がある」私もそう思ってた。最新の木彫りの写真なんてまさにそんな感じで、ちょこっと撮ったものかと思いきや半年くらいかかったそうな。佐内さんはフィーリングでさらさら撮っているように思っていたのだけれど、彼はそれでそれなりに考えているらしい・・・。変なストーリーとか。木彫りの人形について、「これは次女」とか説明してくれたしね・・・。
きっと佐内さんには自分が「写真家」であるなんて意識はさらさらなくて、やりたいことをやりたいようにやった結果なんだろうなーと思う。「尊敬する写真家とか、わかんない。」と言うし。そういうカテゴリにはまらない肩の抜け方がああいう写真になるんだろうなあ。

森山さんは言葉の一つ一つが本当に重い、というか聞いていて嘘をついていないのがわかる。嘘ついたり、かっこつけたりして写真はとれなくて、真剣に何かしらと向かい合ってきた人の姿勢ってああも爽快なのかと。ああいうふうに自分はどう思って、何が好きで。そういうことを押しつけずに話せる人になりたい・

しっかし、佐内さん、めちゃめちゃ挙動不審だった・・・。スケッチブックをもって会場入りしたからなんかすんのかと思いきや、しゃべりながらずーーーとスケッチブックにイタズラ書きですよ?!なんだそれ!コメントはすべて適当だし。クスリですかねえ。そして森山大道はおもった以上に小さかった。